Vol.4 


開催地 三重県 鈴鹿サーキット
開催日時 2015年7月26日(日) 鈴鹿8時間耐久ロードレース 決勝


灼熱のサバイバルレース。
上位すら脱落していく厳しいレースで底力を見せつける。


木曜フリー走行、金曜予選、土曜Top10トライアル

今年開発を託されたBRIDGESTONE17incタイヤのポテンシャルの想定外の路面温度に苦戦したウィーク。37度の日差しの中、路面はに50度を上回り、時折60度を超えるハードなコンディションの中、決勝を見据えただひたすらにセッティングを煮詰めていく。

他チームはアタック用タイヤを混ぜながら一気にタイムを出す中、我々はフリー走行に加え6回中5回の予選を全てセットに当ててコンマ数秒づつタイムをそぎ落としていく。

そして金曜日、日の高い5回の予選を青木、今野でマシンを詰め切り、曇りの予報で気温が下がるのを狙い予選最終枠に最後のライダー生形がたった1ラップのアタックに全てをかけ2分9秒215でTop10トライアルに進出。土曜のトライアルで順位を上げることは出来なかったがスズキ勢3位の10番グリッドを確保した。

チェッカーを見守る青木宣篤 灼熱の路面に苦戦した今野、悔しさが隠しきれない


そして11時30分、サバイバルレースが開幕する。

スタートライダーは雪辱に燃える青木宣篤。世界を見てきたチームの内最多8耐出場回数の頼れる存在はそのポジションをしっかりと確立し長丁場を見据えたポジショニングで鈴鹿を駆け抜ける。スタート直後は18位前後で回っていたが、第2走者の今野由寛にバトンタッチするころには16位で帰還、サプライの主力ライダーにマシンを託す。

今野も安定した走りでラップを重ねるがSCの介入、真上に上がる太陽で路面温度は最高に上がり周回遅れの車両も増えてくる厳しいシチェーションで我慢の走りを続けた。結果ポジションはしっかりと守り第3走者生形秀之へとマシンは渡る。

チーム内で予選トップタイムをたたき出していた生形はSCの介入を利用し一つ一つ順位を上げていく。このあたりで順位は10位前後で回ることが出来ていた。

そして2回目の青木の走行。最初の走行に続きここでも安定した走りを見せたがピットインを見据えた時間帯からSCが介入し難しい判断がチームに迫る。どのタイミングで車両を入れるのか、ガスは持つのか。にわかにピットがざわめきだした。

その焦りからピットで痛恨のミスが発生する。SC解除のタイミングで入ってきた青木の目の前で繰り広げられたのは交代した今野のスタートではなく、タイヤシールを張り直すためにピット内に格納される愛機だった。

このトラブルで1分のロスが生まれる。この後今野は懸命にポジションを取り戻すが10位前後を走行していたチームは15位まで後退した。

生形が2回目の走行へ向かう時間、この時点でSCの介入は4回を迎える。ガスの残量とピット回数。耐久の難しさが改めて顔を出す時間帯。前走をパスしながらポジションを上げる生形、その間チームではある決断が行われていた。
ルーティーンでライダー交代、青木が3回目の走行へ向かう。夕焼けに染まる鈴鹿。ナイトスティントが始まる時、先程2回目の走行が終わった生形が装備を整えやってきた。

前後差19秒の間に9位Teamグリーン、10位MotoMap、11位トリックスターとなった夜間走行。ここでチームはトップタイムを出している生形を選択した。じわじわと離れるグリーン、差が広がらないトリックスターとの戦いは最後まで続く、先にピットへ入ったのはサプライ。生形はマシンを唸らせ走っていく。トリックスターもピットインを終わらせて残り25分、この時17秒のアドバンテージがあった。

しかしチェッカーまで残り22分、ここでまたもやSCの介入。築いたアドバンテージはSC解除の時にはチェッカーまで7分のところで3秒まで縮まる。SC解除、バックマーカーが入り乱れ、ヘッドライトの明かりしか頼りにならない状況で生形は懸命に逃げ切る。そしてアドバンテージを7秒まで広げ、チェッカー。

MotoMapSUPPLYは10位のリザルトを手に2015年の鈴鹿八耐を終えた。

MotoMapカラーに身を包む生形。一回目の走行前 チェッカーを受け戻ってきた生形と#32


今野由寛

「今回、元GPライダーと、全日本J-GP2トップライダーと一緒にレースを戦うことができて、チームとして上に一歩、成長できたレースとなりました。二人にとても感謝しています。レースは気温が高く、厳しい戦いを強いられたのですが、持っているハード、おかれた状況の中でベストは尽くしたと思います。表面的なリザルトの数字ではなく、レースを戦う中で得られたもの、チームとして発揮できたことなどに対して誇りが持てる内容でした。これを全日本後半戦につなげ、さらにチームとして成長したいと思います。」

青木宣篤

「本当に厳しいレースになりました。予想はしていましたが、気温が上がってしまうとどうしてもハード的に無理ができない状況となってしまうので、ラップタイムで3秒遅いライダーでも、予測できない動きをするので、じっと我慢して1周走りを見て抜いたりと、本当に我慢を強いられるレースでした。ただ、そうしたレースを通じて得られたデータは、今後のチームの活動にプラスになるものだと思うので、そうした点では良い仕事ができたのかなと思います。」

生形秀之

「もう少しペース的には速く走りたかったのですが、現実は難しかったです。気温の上がった日中はとにかく我慢の走りを続け、涼しくなってきた夕方は、やっと楽しく走ることができました。与えられ、期待された仕事は自分なりにこなせたという充実感はあります。8耐参戦できるようにバックアップしてくれた方々に感謝します。ありがとうございました。」


灼熱の二回目の走行に向かう青木 チェッカーを待つ今野